隊長のん太 酒蔵通りたんけん隊通信 Vol.11
暖かくなって
きました号
2004/2/24
 
●暖かくなってきました

2月19日は暦のうえで二十四節気のひとつ「雨水」、雪が雨に変わって寒さが和らぐとされています。
冬も終わって、もうすぐ春ですね。
とはいえ今年の冬は、ここ東広島ではそれほど寒くなかったような気がします。
3月3日の雛祭りももうすぐ。
雛祭りといえば甘酒ですが、今回はその材料にもなる「酒粕」の話です。


◆3月の「西条四日市」は3月7日
毎月4日に開かれる「西条四日市」ですが、3月は7日(日曜日)開催です。
場所(吟古館)・時刻(10:00〜)は変わりません。
http://sakematsuri.com/event2.html


●新酒を搾ると酒粕もできる

「酒粕」は前号でもご紹介した日本酒の製造工程の最後、醪(もろみ)から新酒(原酒)を搾ったあとに残るものです。
「カス」というコトバは不純物とか不要なものという意味合いがあり、「残りカス」とか「人間のカス」とか、良い意味では使われないことが多いですが、「酒粕」に限っていえば、栄養満点の立派な食品ですね。
日本酒の原料である米や発酵過程で作られた栄養分がほとんど酒粕に凝縮されているというわけです。
ただやはり昔は酒を搾った後の残りかす、ということでぞんざいな扱いを受け、値打ちのあるものとはみなされてなかったようです。
最近は、酒粕そのものが貴重な存在となって、商品価値が出てきたとのことです。

■自動濾過圧搾機



日本酒の搾り方は、大きく分けて機械式と手作業に分かれるでしょう。
機械式の代表が「ヤブタ」と呼ばれる圧搾機を使う方法です。
「ヤブタ」というのは、酒造会社でよく使われている自動濾過圧搾機を1963年に開発した薮田産業の名前からきています。
この機械では、何段にも並んだ枠の中に、濾過のための濾布と圧縮のための空気袋が交互に配置されています。
枠を密閉してから濾布の間に醪(もろみ)を注入、空気袋に圧縮空気を入れて、間の醪(もろみ)を搾ります。
濾布を通って濾過された液体が新酒となり、枠の間に残った固形物が酒粕です。

薮田産業ホームページ
http://www.yabuta.co.jp/

■ふつうの酒粕と吟醸粕

ふつうの酒粕 吟醸粕

酒粕は圧搾機の枠を開放して手作業で取ります。濾布にはさまれて圧縮されるので、スーパーなどで売っているお馴染みの板状の形をしているのです。
掻き取り作業も昔はけっこう大雑把だったのが、最近では品質、商品価値を損なわないよう、丁寧に行われているとのことです。

いっぽう、圧搾機を使わない手作業の絞りでは、醪を酒袋に入れます。
この酒袋を重ねたり、重しをかけたり、または吊り下げて自然に滴り落ちるものだけを採取したり、といろいろなやり方があるようです。
吟醸酒などは搾りもこだわりの手作業で圧力をかけず、残った酒粕もぽろぽろした状態です。

■酒粕の利用法

酒粕はこれまた焼酎などの原料になります。
ほかにも、甘酒、粕漬け、粕汁など、いろいろ利用法がありますね。
実際に作るときには、検索サイトで検索してみてください。
いろいろなレシピが山ほどでてきます。

《粕汁》酒粕を加え入れた汁
《粕漬け》野菜や肉・魚を、酒粕やみりん粕に漬けたもの
《甘酒》酒粕を水に溶かし、沸騰させて砂糖を加えます。
…酒粕で作る甘酒は「インスタント」で、本来は麹(こうじ)から作るのだそうです。
麹を湯に溶かし、55度位で5時間ほど置くと、糖化して甘酒ができます。
《カストリ(粕取り)》酒粕を蒸留して作る焼酎。
または、米または芋から急造して、粕だけを除いた低品質の酒。

…余談ですが、「カストリ雑誌」というコトバがありまして、カストリ(低品質な酒の方の意味)を3合飲めばつぶれるということから、3号で廃刊になるような雑誌を指すそうです。
【酒蔵通りたんけん隊通信】は今回11号で、とりあえずカストリ雑誌状態からは脱したということでしょうか。


●【酒蔵通りたんけん隊通信】バックナンバー
Vol.10 一年の計は元旦にあり号 2004/1/30
Vol.9 酒蔵通りもクリスマス号 2003/12/21
Vol.8 終って早一ヶ月号 2003/11/26
Vol.7 酒まつり2日目号 2003/10/12
Vol.6 本日開幕号 2003/10/11

それ以前のバックナンバーは「特別ご案内号」をご覧ください。


●編集後記
じつはワタクシ、全くの下戸でして、奈良漬で酔っ払うくらいなのです。
酒のことなどほとんどわかってない人間が、こうして「酒蔵通り」の探検をするというのもまた、意義深いというか、無謀というか…。
しかし吟醸酒の酒粕があんまりいい香りだったのでひとつ買い求め、甘酒を試してみました。
いや〜これがじつにおいしい!フルーティな香り、さらっとした味、醪(もろみ)の舌触り…。
[しばしの幸せを感じた臨時編集長:のん太6号こと山田元]


●【酒蔵通りたんけん隊通信】
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