隊長のん太 酒蔵通りたんけん隊通信 Vol.13
黄金週間号
2004/4/27
 
●黄金週間(ゴールデンウィーク)

もうすぐ黄金週間(ゴールデンウィーク)、たまには遊び呆けて気持ちをリフレッシュ!
ナニ?GWのときこそふだんやり残した仕事を片付ける?…それはそれはお疲れ様。
今月号は「酒蔵通り」から少し遠出して「酒類総合研究所」と「三浦仙三郎」の話題です。
ちょっと「勉学」にいそしんでみるのも、よい気分転換?


●独立行政法人酒類総合研究所

サイエンスパーク内の研究所 研究室
製造実験プラント きき酒ができるレセプションルーム

東広島市鏡山のサイエンスパーク内に「独立行政法人酒類総合研究所」があります。
今から100年前の明治37(1904)年、東京滝野川に設立された「大蔵省醸造試験所」が平成7(1995)年に移転してきたもので、酒の原料から製造、分析評価、遺伝子工学まで、いろいろな酒造・醸造技術の研究・開発と普及活動が行われています。
「醸造試験所」の設立は、それまで杜氏の勘と経験に頼っていた酒造技術を科学的に解明し、当時頻繁に起こっていた酒の「腐造」などの失敗をなくして酒造技術を確立、普及するためでした。
農・工業関係でなく大蔵省の管轄(現在は国税庁)なのは、当時は酒税の国税全体に占める割合が1/3もあり、技術の普及によって酒税を安定的に確保することが必要だったためです。
ときあたかも明治37(1904)年、国運をかけた日露戦争の年であり、国の税収にはまさしく国家の存亡がかかっていたわけです。

※研究所の見学等には事前の申し込みが必要です。
詳しくはホームページ
http://www.nrib.go.jp/


近くの観光名所
●三永水源地(藤棚)…花見の時期だけ一般公開
http://hh-kanko.ne.jp/event/minaga.htm




■酒類総合研究所全国新酒鑑評会
毎年春に行われる全国新酒鑑評会には約1,000点の出品があります。
今年の鑑評会の審査は5月13日までに行われ、5月27日(木)には「製造技術研究会・公開きき酒会」が東広島運動公園体育館で開催されます。
(公開きき酒会には一般の人も入れます:入場料1,000円)

ホームページ(開催要領書類のPDFファイル)
http://www.nrib.go.jp/kan/H15/pdf/H15kankaisai.pdf


■酒類総合研究所創立100周年記念講演会
「製造技術研究会」の前日5月26日には、酒類総合研究所創立100周年を記念して講演会が開かれます。
日時:平成16年5月26日(水)午後1時〜5時30分
場所:広島大学東広島キャンパス内サタケホール
(誰でも参加できます:参加費無料)

ホームページ(ポスターのPDFファイル)
http://www.nrib.go.jp/annai/pdf/100kouen.pdf


●三浦仙三郎

三浦仙三郎の像
安芸津・榊山八幡神社内
(…境内からは安芸津の町並みや
島々が並ぶ瀬戸の海も見渡せます)

明治40(1907)年秋、初の全国規模の「第1回清酒品評会」が醸造試験所で開かれ、当時圧倒的ブランド力を誇っていた灘の酒をよそに、広島の酒が堂々上位を占め、世間を驚かせました。
この第1回品評会で審査員にも選ばれ、広島の酒の躍進に大きな貢献があったのが、三浦仙三郎(1847-1908)です。
三浦仙三郎は広島の三津(現・安芸津町)の生まれ、代々の酒屋ではなく酒造事業は明治9(1876)年の新規参入です。
事業の起ちあがりは「腐造」や昔気質の杜氏との軋轢に苦しんだようです。
もちろんまだ無名だった地方酒と天下の灘の酒との差は圧倒的です。
これを仙三郎はさまざまな実験を繰り返しデータを積み重ね、「百試千改」の努力で乗り切りました。
灘の水は酵母の栄養となるミネラル分を多く含んだ硬水、広島はミネラルの少ない軟水で酒造りには不利。
この欠点を克服し、低温で長時間かけて発酵させることにより、香り高く濃醇な酒を造る「軟水醸造法」を完成させたのです。
また仙三郎は苦労してあみだした独自の醸造法やデータを秘密にせずに広く公開、杜氏の技術研鑚にも務めました。世に名高い「三津杜氏」(広島杜氏)は三浦仙三郎から生まれたのです。

参考文献:池田明子『吟醸酒を創った男』時事通信社(2001)
(…三浦仙三郎の話はとてもメルマガでは語り尽くせません)


●【酒蔵通りたんけん隊通信】バックナンバー
Vol.12 そろそろお花見号 2004/3/26
Vol.11 暖かくなってきました号 2004/2/24
Vol.10 一年の計は元旦にあり号 2004/1/30
Vol.9 酒蔵通りもクリスマス号 2003/12/21
Vol.8 終って早一ヶ月号 2003/11/26

それ以前のバックナンバーは「特別ご案内号」をご覧ください。


●編集後記
先日実家に帰ったとき、我家に伝わる「日本刀」をじっくり見る機会がありました。
といっても脇差(侍が腰に差す大小の小さいほう)で、鍔(つば)のガタつきがあるような代物ではありますが…。
しかし、小さくてもやはり「真剣の凄み」があります。
今まで関心のなかった私でも「武士の魂」とか「日本の伝統」とかいうコトバが頭をよぎりました。
日本酒について調べるときも同じですが、俄か勉強のインターネット検索でも、調べれば調べるほどその世界に魅了されていき、「この日本の精神を守り、後世に伝えなければ」という気分になってきます。
[いつになく神妙な臨時編集長:のん太6号こと山田元]


●【酒蔵通りたんけん隊通信】
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